来年からITエンジニアになる人、ITエンジニアの仕事に興味がある人にとって、ITエンジニアに求められる知識・スキルや仕事のスタイルを事前に知っておくことはとても大切なことです。
実際、私自身、就職前と就職後はイメージに大きなギャップがありました。
就職前にもっと正確にITの全体像、仕事のイメージが掴めていれば、もっと早く適応できたと思いますし、もしかしたら別の業界に進んでいたかもしれません。
また、IT業界で長く働いている先輩たちは、当然のように知識を持っている前提で私たちに接してきますのである程度事前に勉強しておくと仕事に慣れやすいです。
私のように就職後にギャップを抱くことなく、基礎となる知識を学ぶことで早く仕事に慣れることができるように本記事では実体験をもとにIT業界で役立つ準備をご紹介します。
ITエンジニアの種類
就職する前、IT業界に入る前は、ITエンジニアは一括りに見えているかもしれません。
実際には、ITエンジニアには医者のようにそれぞれ専門分野があります。
医者も内科医、外科医、小児科医等、それぞれに専門領域があると思います。
同様に、ITエンジニアにも専門があります。
ここでは、ざっくりとITエンジニアの種類を説明します。
(一部、新入社員が担当しない範囲も含まれています。)
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニア(APエンジニア)は、WEBサービスやアプリケーション、システムの開発を行う技術者です。
世間の人がイメージするエンジニアに最も近い職種といえます。
「プログラミング」は、アプリケーションエンジニアにあたる人(プログラマー)が行います。
※後述する他の職種はプログラミングを行う機会は少ないです。
コードをガリガリ書きたい人はアプリケーションエンジニア、プログラマーがイメージに近いかもしれません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニア(NWエンジニア)は、ネットワーク・通信を管理する技術者のことです。
大きな枠組みでは、インフラエンジニアとも呼ばれます。
※プログラミングを行う機会は少ないです。
Wi-Fiルータをどの位置に何個置いたら安定した通信が実現できるか、有線ケーブルはどのように配線するべきか、不正な侵入を防ぐ通信セキュリティを確立できているか、IPアドレスをどう管理したらよいか等、ネットワークに関する様々な環境を管理します。
サーバエンジニア
サーバエンジニアは、サーバを管理する技術者のことです。
ネットワークエンジニアと同じく、大きな枠組みではインフラエンジニアとも呼ばれます。
※プログラミングを行う機会は少ないです。
アプリケーションやWEBサービスを動かすための土台となるサーバを管理しています。
サーバに必要な容量やスペックを適切に見極め、安定した動作環境を提供します。
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャー(PM)は、システム開発全体を統括する立場です。
当然ながら、新入社員がプロジェクトマネージャーを務めることはありません。
上述したアプリケーションエンジニア・ネットワークエンジニア・サーバエンジニアを含むシステム開発全体をコントロールする立場にある為、全ての領域に対して深い知識・経験を有している必要があります。
システム開発の責任を担う立場であり、WBSという開発スケジュール線を用いて進捗に遅れがないか等の管理も行います。
プロジェクトマネージャーは最終決定を行う立場にあたる為、スケジュール管理・システム設計・経費(コスト)管理・その他、あらゆる面において、危機察知能力が必要になります。
プロジェクトマネージャーの判断次第で、良いシステムを完成させることができるかどうかが決まってきます。
IT業界に向いている性格
仕事は業界・業種によって求められる能力が異なる為、合わない業界に入ってしまうことで、大きなストレスがかかってしまったり、正当な評価につながらなくなってしまったりすることがあります。
逆に、向いている性格であるということは仕事をつ大きな強みになります。
実際にITエンジニアとして働き、向いていると感じる性格特性を紹介します。
①慎重さ・正確さ
ITエンジニアはあらゆる要素を考慮した上でシステムを設計し、設計通り設定作業を行う必要があります。システムは様々な設定が組み合わさって稼働するため、設定ミスや設計時の考慮不足は業務に大きな影響を与えてしまいます。
全ての業務・作業に、クロスチェックやレビューを行い、証跡を残す、慎重さが大切です。
細かい作業やキッチリこなすことが得意な人は向いていると思います。
②追及心
システム開発・運用・保守を担当する際に、担当領域に関する専門家であることが絶対条件となります。担当領域内で、仕組みがあやふやな部分があれば、すぐに確認し、他者に説明できるレベルで理解する姿勢が求められます。
より安定した業務を目指すならば、担当領域内のみならず、関連する他領域についても理解を深め、作業の影響範囲、考慮すべきポイントを見極めていく必要があります。
③外交性
ITエンジニアは、それぞれに専門領域を持っており、各専門家が密に連携しながら業務を行っています。その為、周囲に協力をお願いしたり、自担当の状況を都度伝えたりする必要があり、コミュニケーションを取る機会は非常に多いです。
物おじせずに、周囲に積極的にアクションを起こし、コミュニケーションを取っていく姿勢が必要です。
知っておきたいスキル・知識
前述した職種の種類(アプリケーションエンジニア・ネットワークエンジニア等)によって、求められるスキルは異なります。実はよく言われる「プログラミング」が必要とされるのは、ほとんどアプリケーションエンジニアです。
種類によって、求められるスキル・知識は異なりますが、新卒エンジニアが知っておくべき前提知識を紹介します。
①コマンドプロンプト/Powershell
コマンドプロンプト・Powershellとは、マシン(パソコン・サーバ等)の設定を確認・操作する為のコマンド実行画面です。
コマンドプロンプトとPowershellは、共通して利用できるコマンドもあれば、片方しか使えないコマンドもあります。基本的には、Powershellの方が多くのことができます。
コマンドプロンプトは、デスクトップの下にある検索バー(虫眼鏡マークのところ)で「コマンドプロンプト」または、「cmd」と入力すると開くことができます。
Powershellは「Windowsロゴ」マークを右クリックして「Windows Powershell」を選択すると、開くことができます。
②リモートデスクトップ接続
リモートデスクトップ接続とは、自分の操作しているマシン(パソコン・サーバ等)から別のマシンに接続して遠隔操作する機能です。
基本的にサーバを操作する際に利用します。リモートデスクトップ接続を行うと、自分の操作しているパソコンの画面とは別にリモートデスクトップ接続したサーバの画面が表示されるので、最初のうちは今どの画面を操作しているのかを意識しておきましょう。
「Windowsロゴ」マークをクリックして、「すべてのアプリ」>「Windowsツール(アクセサリ)」からリモートデスクトップ接続を選択すると、接続画面を開くことができます。
③ドメインとローカル
ドメインとローカルについては、以下の記事で説明しているので、良ければ見てみてください。
※以下の記事はユーザーに焦点が当てられていますが、マシン・コンピュータ(パソコン・サーバ等)にも共通する考え方です。
④OSの種類
OSの種類については、以下の記事で説明しているので、良ければ見てみてください。
⑤IPアドレス
IPアドレスについては、以下の記事で説明しているので、良ければ見てみてください。
就職前にやっておきたいこと
ここまでの内容で、エンジニアにも色々な種類があることや事前に知っておきたい知識・スキルをご紹介してきました。
ここでは、以下の方に向けてIT業界就職前にやっておきたいことをご紹介します。
- 就職前にIT関連全般の勉強をしておきたい
- ITについて基礎知識がなさ過ぎて入社後が不安だ
- IT知識を深めたいが何から手を付けていいか分からない
上記に当てはまる方は、基本情報技術者試験の勉強がオススメです。
ITについて、初めて学ぶ人が知っておくべき内容を網羅しており、幅広く理解を深めることができます。また、基本情報技術者資格を取っていれば、会社にも一定のIT知識があると認められます。
基本情報技術者試験と似た資格が2種類あります。ITパスポートと応用情報技術者資格です。
難易度的な位置づけは応用情報技術者資格>基本情報技術者試験>ITパスポートの順でITパスポートガ最も簡易な試験です。
ITパスポートを取得していると、一般業種であれば、IT知識があるという証明になりますが、エンジニアを目指す上では、やや不十分と言えます。(もちろんITパスポートから段階的に取得していくのもアリです。)
応用情報技術者資格は基本情報技術者資格で求められる知識を前提としているため、取得を目指すべきは、基本情報技術者資格です。
実際、私は最初の企業に入社後すぐに基本情報技術者資格を取得しました。基本情報技術者試験の勉強をしていたおかげで、その後の業務理解が早く進んだと感じる場面も多かったです。
特に、最初は業務で分からない用語も多い為、基本情報技術者試験の勉強を通じて、基礎的な用語・仕組みを理解しておくことが最も業務に役立ちます。
まとめ
本記事では、来年からITエンジニアになる人、ITエンジニアの仕事に興味がある人に向けて、エンジニアに対する理解を深め、就職前のギャップを少なくする為に、エンジニア業界について、概要を紹介しました。
エンジニアの種類や求められる知識・スキルを把握し、自身の臨んだキャリアを歩むことができるよう考えていくようにしましょう。