プロトコルとは
IT用語として使われるプロトコルとは、データを通信するときのルールや決め事です。
イメージとしては、申請書のようなものです。
例えば、銀行口座開設とふるさと納税の申請書を例にしてみましょう。
この2つは全く違う内容なので、申請書を出す場合も、それぞれ必要な情報が異なります。
ふるさと納税の申請書を記入して、「銀行に口座開設させてください」と言った場合、当然、受付で「銀行口座開設用の申請書を記入してください」と言われるはずです。
また、銀行口座開設の申請書を記入して、銀行に行き、「ふるさと納税をやりたいです」と伝えたとしても、「うち(銀行)では出来ません。役所に行ってください」と言われるでしょう。
同じように、データを通信する場合も、通信するデータ内容、通信先に合わせた形式で行わなければ受理・対応出来ません。
このデータ通信形式を規定しているのがプロトコルです。
プロトコルは、IETFやIEEE等の組織によって統一的に定められています。
代表的なプロトコル
代表的なプロトコルについて、利用用途とともに簡単に紹介していきます。
①IP
IPアドレスからデータ通信ルートを決め、端末へデータを中継する際に使用される
②TCP
データが目的地まで無事に届いたかを確認する為に使用される
③TLS/SSL
データを暗号化して通信する為に使用される
セキュリティ面での安全性を高める
インターネット上で利用される
④HTTP/HTTPS
サイト、ホームページなど、いわゆるインターネットに関するデータ通信を行う際に使用される
TLS/SSLによってデータが暗号化されたHTTP通信をHTTPS通信と呼ぶ
HTTPSはHTTPよりセキュリティ面での安全性が高い
URLが「https://~」となっていたり、南京錠マークが表示されていればTLS/SSLによる暗号化が使用されている
⑤FTP
ファイルをアップロード・ダウンロードする際に使用される
⑥SNMP
スイッチなどのネットワーク機器やサーバの状態を管理する為に使用される
監視対象の危機に異常があった際に検知するSNMPトラップという仕掛け等、機器状態の監視に利用されることが多い
⑦TELNET/SSH
主に自分が操作しているパソコンからサーバを遠隔操作する際に使用される
SSHはサーバへの接続中に発生する通信内容が暗号化されるため、TELNETよりセキュリティの安全性が高い
⑧DHCP
IPアドレスの自動的な割り当てに使用される
DHCPを利用することで、必要な時に利用可能なIPアドレスが自動的に付与される
⑨DNS
登録されている名前(サーバ名など)とIPアドレスを紐づける為に使用される
DNSが設定されていると、通信先にサーバ名で入力してもIPアドレスで入力しても同じ結果を得ることができるようになる
⑩SMTP
メールをメールサーバに送信する際に使用される
メールは発信先>メールサーバ>宛先という順で送信される
SMTPは「発信先>メールサーバ」の通信に利用される
⑪POP3/IMAP
メールサーバから必要なメールを取得するために使用される
POP3/IMAPは「メールサーバ>宛先」の通信に利用される
POP3はメールサーバからメールをダウンロードする為、メールサーバにはメールが残らないが、IMAPはメールサーバにメールを残しながら閲覧することができる