システムの信頼性を知ろう
システムの信頼性とは、そのシステムにどのくらい安心して任せられるかのことです。
信頼性を測る項目として、5つの項目があります。5つの項目を英語にした時の頭文字を取ってRASISと呼ばれています。(簡潔に説明するために、それぞれの英単語はここでは省略します)
R:信頼性
A:可用性
S:保守性
I:保全性(完全性)
S:機密性(安全性)
簡単なイメージはそれぞれこんな感じ↓
R:信頼性 → 耐久力
A:可用性 → 体力
S:保守性 → 回復力
I:保全性(完全性) → 精度
S:機密性(安全性) → 防御力
これらの測定結果(ステータス)が高ければ、そのシステムはそれだけ安心感のあるシステムだと言えるでしょう。
信頼性とは
システムの信頼性とは、壊れにくさのことです。
信頼性(壊れにくさ)はMTBFで表されます。
MTBF:システムが壊れるまでの平均時間
平均時間?と疑問に思う人もいるかもしれません。システムが故障したら修理します。そして、また使い始め、また故障したら修理します・・・このように、故障-修理を繰り返してシステムを使っていくときに、修理してから次に故障するまでの時間、この平均時間をMTBFと言います。
MTBFが長いほど、人の手(修理)を加える回数が少なくて済みます。手のかからないシステムと言えるわけです。
可用性とは
システムの可用性とは、システムを利用できる可能性のことです。
システムを利用できない状態とは、ズバリ故障している時です。つまり、可用性とは故障せずに使える確率のことと言い換えられます。
可用性(システムを利用できる確率)は稼働率で表されます。
稼働率:あるシステムを使い始めてからそのシステムを使わなくなるまでの間(MTBF+MTTR)に、故障していない時間の割合
例えば、ATMが頻繁に故障してたら使いにくい・イライラすると思いますよね。故障していない時間の割合が長い方が良いシステムと言えます。
補足:
稼働率(故障せずに使える確率)を高くするには、MTBF(システムが故障するまでの時間)を長くして、MTTR(故障→修理完了までの時間)を短くする必要があります。
保守性とは
システムの保守性とは、修理しやすさのことです。
保守性(修理しやすさ)はMTTRで表されます。
MTTR:故障→修理完了までの平均時間
修理がしやすいということは、MTTR(故障→修理完了までの時間)は短くなります。
MTTR(故障→修理完了までの時間)が短い程、修理する人は楽だし、システムを使える時間は長くなるわけです。
保全性(完全性)とは
システムの保全性とは、いろんな人がシステムを同時に使ったときの情報トラブルの起こりにくさのことです。完全性とも呼ばれます。
人でも同じことですが、一気に多くの情報を捌こうとすると、パンクすることがあります。例えば、数字を数えている時に、横から無関係な数字を言われ続けると、混乱して数えている数字が分からなくなることがありますよね。
このように、システムでも多くの人が同時に利用すると、正しくない情報になってしまうことがあります。どんな状況でも混乱せずに正しい情報を持ち続けられるシステムが良いシステムと言えます。
機密性(安全性)とは
システムの機密性とは、様々な外敵から情報を守る力のことです。
システムは大きく2つの外敵を常に意識する必要があります。外部の悪意ある人と災害です。外部の悪意ある人からの攻撃とはいわゆる不正アクセスのことです。
システムは不正アクセスと災害による物理的な損傷から情報を守らなければならないわけです。この2つで情報がなくなってしまったり、漏洩してしまったりする危険が高いシステムは安心して使いにくいですよね。
外側からの悪意ある攻撃や物理的な損傷をあらかじめ想定してシステムを作ることが求められます。