新入社員が仕事でつまずく原因
仕事内容が理解できない
新入社員は入社したばかりで、会社の仕組みも仕事内容も何も理解できていない状態です。アウトプットを生み出す以前に大量のインプットで躓いてしまうことが多いかと思います。
仕事内容が正確に理解できていない状態で成果を出すことは難しいです。
日本語を例にとってみましょう。日本語を学習したことがない海外の人は日本語でコミュニケーションを取ることが非常に難しいはずです。しかし、この記事を読んでいる方は日本語を不自由なく使いこなして簡単にコミュニケーションを取っているかと思います。
このように、内容が理解できてしまえば、スムーズに仕事が進められる場合も多いです。
仕事量が多すぎて、仕事が回らない
仕事内容は理解できていても、仕事量が多すぎて上手くこなせないという場合もあります。
特に、多くの種類の仕事を一度に任されると、何から手を付けて良いかわからず、パニックを起こしてしまいがちです。
それぞれの仕事に対し完了する見込みが立たないことで、思考が停止してしまうわけです。実際、仕事の計画が立つだけで、かなり不安が少なくなります。
事前に計画を立てることで、仕事に振り回される側から仕事をコントロールする側に立つことができるようになるので、安心して仕事を進めていくことが可能になります。
上司・先輩の指示が分からない・質問しにくい
新入社員のうちは特に、仕事を進めていくために上司・先輩とコミュニケーションを取りながら進めていく必要があります。
一方で、実際の業務では、上司・先輩も自分の仕事があるので時間を割けなかったり、新入社員の皆さんがどこを理解できていないか気付けていなかったりすることも多いです。
そこで、重要なポイントが適切な報告と質問です。適切な報告と質問が出来れば、上司や先輩も適切なアドバイスが出来るので、お互いに安心して仕事を進めることができます。
仕事ができなくて、メンタルが落ち込む・委縮する
仕事でミスは付き物です。仕事ができる人とできない人の違いはミスが発生した後の対応にあります。
ミスが発生したときに必要以上に落ち込んでしまったり、委縮してしまったりすると、次の仕事のパフォーマンスが低下してしまい、次のミスを起こしてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
重要なことはミスを次の仕事に引きずらないことです。ミスを受け入れて上手く切り替えることができると、パフォーマンスの安定につながります。
仕事内容を理解するための対策
自分の担当する仕事内容を再整理する
仕事を任されたら、まずは任された仕事内容をどこまで理解できているか簡単に整理するようにしましょう。仕事内容を整理することで、どこが理解できていて、どこが理解できていないかを明確にすることができます。
整理する方法としては、自分の言葉で仕事内容を説明し直すことが効果的です。
上司・先輩から仕事を割り振られた際に、「分かった気になってしまう」ことは多いです。この状態で仕事に取り掛かろうとすると、理解が曖昧な部分が多いので進めることが出来なくなってしまいます。
自分の言葉で説明し直すことで、理解が曖昧だった部分がはっきりと認識できるようになります。事前に理解できていない点を上司・先輩に確認できるので、作業をスムーズに進めることが出来ます。
作業レベルで分解する
「仕事を割り振られたけど、何からやればいいか分からない」という事態は仕事ではよく起きがちです。このような事態を防ぐためには、仕事を作業レベル・ステップに分解することが重要です。
仕事を作業レベルに分解する目的は、「次にやるべきことが明確にする」ことです。
作業レベルで分解するのは、ゴールまでの案内図を作るようなものです。道が分かっていてゴールを目指すのと、道が分からずにゴールを目指すのは精神的負担もゴールまでにかかる時間も大幅に差が生まれます。
周囲の仕事内容を把握する
仕事は多くの場合、周囲の人と連携して進めていくことが必要になります。一見、関係がなさそうな周囲の仕事内容も理解しておくと、仕事が早く進む場面も増えます。
周囲の人の仕事が回ってきたり、自分の仕事を進める過程で、周囲の協力を必要となったりする場面が多くあるからです。また、周囲に協力やアドバイスを求める際にも、相手の機嫌を損ねずに欲しい協力やアドバイスを引き出すことが出来ます。
ただし、新入社員のうちはインプットするべき情報が多いので、まずは自身の仕事の理解を優先し余裕が出てきたらステップアップとして意識してみるくらいで良いと思います。
仕事量をコントロールする対策
締め切りと最速完了時期を確認する
新たな仕事が割り振られたら、必ず締め切りと自分の中での最速の完了時期を確認します。最速といっても無理なスケジュールではなく、可能な範囲での最速完了時期を設定するようにしましょう。
締め切りと最速完了時期の差がその仕事に対する「余裕」になります。この余裕を認識することで、順調かどうかを客観的に判断出来るようになります。
仕事を作業レベルで分解し各作業ごとの完了時期を設定しながら全体の最速完了時期を設定することで、誤差が少ないスケジュールを組むことが可能になります。
1日の仕事をマスト作業と努力目標に分ける
1日ごとにどこまで仕事を終わらせるかを決めておくことで、仕事の生産性を高く保つことが出来ます。
逆に1日の仕事のゴールを決めておかないと、どこまで進めておけばいいか分からずダラダラと残業することになってしまいます。
一方で、仕事では突発的な作業が発生してしまうことも多くあります。余裕を設けずにゴールを設定してしまうと、突発的な作業に対応できなくなってしまいます。
そこで、最低限のゴールと余裕があるときのゴールを設定しておくことで、生産性を高く保ちつつ柔軟に対応できるようになります。
スケジュール策定・改善の時間を予定に組み込む
ここまで書いてきた通り、仕事の計画を立てることは非常に大切です。一方で、計画の重要性は理解したが、実際は業務が忙しく、計画を立てる時間がないというケースが多いのではないでしょうか?
「計画を立てることも1つの仕事」と認識してください。計画を立てる時間は意識的に確保しないと作ることが出来ません。
計画を立てる時間を作ることで抱えている仕事量と作業の進め方を整理・確認することが可能となります。作業の際に迷いがなくなるため、パフォーマンスが向上し結果的に仕事が早く終わるようになります。
上司・先輩とのコミュニケーション対策
現状・結論・根拠・詳細・相談の順に伝える
基本的に上司・先輩は多くの仕事を抱えています。あなたの仕事は上司・先輩から見て優先度が高くないため、細かく状況を把握できていない場合も多いです。
一方で、仕事を円滑に進めていくためには、状況を正確に把握してもらった上で適切なアドバイスを引き出すことが必要です。
だからこそ、伝え方を意識するようにしましょう。具体的なサンプルとしてはこんな感じです。
▼報告・相談時の伝え方の例
- 現状:状況を理解していない聞き手に理解してもらう
- 結論:伝えたいメッセージをまず理解してもらう
- 根拠:結論を出すまでのプロセスに問題がなかったかを確認してもらう
- 詳細:疑問点を解消してもらう・不足している情報がないかを確認してもらう
- 相談:一人で判断できていない部分について、意見をもらう
報告・相談の内容や聞き手の理解度に合わせて、一部を省略したり逆に丁寧に説明したり、工夫するようにしましょう。
方向性を共有する
新たな仕事に取り掛かるとき、いきなり作業に着手したりしていませんか?いきなり作業に着手してしまうと、方向性が違ったときにそれまでの全ての作業が無駄になってしまう可能性があります。
作業を無駄にしないために、最初にやるべきことは仕事の進め方・内容の方向性を決め、上司・先輩とすり合わせることです。
「仕事を作業レベルに分解する」、「資料の目次と各章で伝えたいメッセージを決める」等、大まかな方向性が決まった時点で、上司・先輩に共有するようにしましょう。
ボーリングでガーター止めを付けるようなイメージです。最初にこれを設置しておくことで、最悪でもガーターにはならない、と安心して投げることが出来るはずです。
仕事においても最初に方向性を共有しておくことで、安心してその後の作業を進めることができる上に、作業後の修正箇所も少なくなります。
整理と質問の時間をあらかじめ確保しておく
仕事を教えてもらうときに、その場で全ての内容を理解し、疑問点を明確にして質問することは難しいです。
仕事を教えてもらうときは、あらかじめ自分で整理する時間と上司・先輩に質問する時間も合わせて確保しておくのがおすすめです。仕事を教えてもらうときに事前に質問する時間を伝えておくと、時間を取ってもらいやすいです。
あらかじめ時間を確保しておくことで、落ち着いて仕事内容を理解できるようになります。
まとめて質問できるので上司としても対応しやすく、作業のたびに質問する必要がなくなるため、質問に対する回答待ちの時間が発生しにくくなります。
メンタル面の対策
自分の中での評価基準を作る
仕事は長期戦です。安定して成果を出し続けるためには、モチベーションの管理が必要となります。
一方で、仕事は基本的にこなすことが当たり前であり、周囲から評価を受ける機会は少ないです。そのため、周囲からの評価を基準にしてしまうと、日々のモチベーションを保ちにくくなります。
安定して成果を出し続けるためには、自分なりの評価基準を作り、日常的に自分自身を評価することが重要です。
評価基準は、「作業レベルの基準」と「内容レベルの基準」を作ると、成長にもつながります。
例えば、こんな感じです。
- 作業レベルの基準 → 今日はA・B・Cの作業を終わらせる
- 内容レベルの基準 → 今日は上司・先輩への報告の際に、現状・結論・根拠・詳細・相談の順番で伝える
このように、自分の評価基準を持つことで、仕事が上手くいっているかどうかを日々チェックすることができ、上手くいっていない場合にも状況を改善するためにはどのような行動を取るべきかを考えやすくなります。
トラブルが起きた時の対応を決めておく
仕事において、常に順調に進むことは稀であり、想定外のトラブルが発生することはよくあります。
トラブルが発生した場合にも落ち着いて対応するために、事前に対応ルールを決めておくことが効果的です。
例えば、「トラブル対応を行うための時間をあらかじめ予定に組み込む」、「トラブルが起きたらまずは状況を確認して上司に報告する」という感じです。
トラブルへの対応を決めておくことで、トラブルを日常業務の1つとして対応することが出来るようになります。日々の業務の1つと捉えることができれば、極端に恐れることも少なくなるはずです。
ご褒美を用意する
会社員として働いている限り仕事は連続的に発生するため、終わりが見えない感覚に陥ってしまうこともあります。
終わりが見えないと感じてしまうと、精神的に大きな負荷がかかることになるので、区切りを意識するようにしましょう。仕事の区切りを意識することで、作業にメリハリがつき、集中力を高く保って仕事に取り組むことが可能になります。
仕事の区切りを意識する際におすすめなのが、「この仕事が終わったら、大好きなケーキを買う」というように仕事を終わらせた自分へのご褒美を作っておくことです。
ご褒美を作っておくことで、自然と仕事の区切りを明確化でき、モチベーションの低下を防ぐことができるようになります。
まとめ
新入社員のうちは、様々な場面でつまづくことがあるかと思います。仕事ができないと感じている新入社員の方で仕事でつまづく原因に心当たりがあった場合は、ぜひ実際にいくつかの対策を試してみてください。
▼今回取り上げた対策
- 自分の担当する仕事内容を再整理する
- 作業レベルで分解する
- 周囲の仕事内容を把握する
- 締め切りと最速完了時期を確認する
- 1日の仕事をマスト作業と努力目標に分ける
- スケジュール策定・改善の時間を予定に組み込む
- 現状・結論・根拠・詳細・相談の順に伝える
- 方向性を共有する
- 整理と質問の時間をあらかじめ確保しておく
- 自分の中での評価基準を作る
- トラブルが起きた時の対応をあらかじめ決めておく
- ご褒美を用意する